職種名だけで判断すると危ない在留資格の考え方

外国人採用を進める中で、職種名を基準に在留資格を判断している企業は少なくありません。
求人票や雇用契約書に記載された職種名を見て、「この職種なら問題ないだろう」と考えてしまう場面も多く見られます。

しかし実務の現場では、職種名だけを基準に判断した結果、在留資格との不整合が後から発覚するケースが少なくありません。
この記事では、なぜ職種名だけで判断すると危険なのか、その考え方の落とし穴を実務目線で整理します。

目次

在留資格は職種名ではなく活動内容を前提としている

在留資格の判断で最も重要なのは、職種名そのものではありません。
実際に日本でどのような活動を行うのかという点が前提になります。

例えば、「エンジニア」「事務職」「企画職」といった職種名は、企業ごとに意味合いが異なります。
同じ職種名でも、業務の中身や求められる役割が大きく違うことは珍しくありません。

在留資格の審査では、職種名の印象ではなく、具体的な業務内容がどのような性質のものかが見られます。
職種名だけで判断すると、この前提を見落としてしまいます。

同じ職種名でも業務の実態が異なるケース

職種名だけで判断してしまう背景には、「一般的なイメージ」が影響していることがあります。
例えば、事務職と聞けばデスクワーク中心、技術職と聞けば専門的な業務というイメージを持ちがちです。

しかし実際には、事務職であっても現場対応や補助作業が多い場合があります。
技術職であっても、管理業務や調整業務の割合が高いケースもあります。

このように、業務の実態が職種名のイメージと異なる場合、在留資格との適合性が問題になります。
職種名が一致しているからといって、安心できるわけではありません。

採用後に業務が広がることで問題になることもある

採用時点では職種名と在留資格が合っているように見えても、入社後に業務内容が広がることで問題が生じるケースもあります。
特に、少人数の組織や成長段階の企業では、一人が複数の役割を担うことが珍しくありません。

企業側としては柔軟な運用のつもりでも、在留資格上は慎重な判断が必要になる場合があります。
結果として、「職種名は合っているが、実際の業務内容が想定と違う」と判断されることがあります。

将来的な業務の変化を想定せずに判断すると、後から在留資格の調整が必要になります。
この点も、職種名だけで判断する危うさにつながります。

日本人採用と同じ感覚で進めてしまうリスク

職種名だけで判断してしまう理由の一つに、日本人採用と同じ感覚で進めてしまう点があります。
日本人であれば、職種名が多少曖昧でも大きな問題になることは少ないかもしれません。

しかし、外国人採用では在留資格という制度が前提にあります。
職種名が同じでも、在留資格上は許容される活動とそうでない活動が分かれます。

この違いを意識せずに採用を進めると、後から制度とのズレが明らかになります。
外国人採用では、職種名以上に業務内容の整理が求められます。

職種名に頼らず判断するために必要な視点

職種名だけで判断しないために重要なのは、業務内容を具体的に言語化することです。
日常的にどのような作業を行うのか。
その業務の中心は何なのか。

これらを整理した上で、在留資格との関係を確認する必要があります。
職種名はあくまで整理のためのラベルであり、判断材料そのものではありません。

外国人採用では、業務内容を起点に考えることで、在留資格の問題は整理しやすくなります。
ご不安な点がある場合はシキサイ行政書士事務所までお気軽にご連絡ください。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

本間 隆裕のアバター 本間 隆裕 行政書士

シキサイ行政書士事務所 代表。
外国人の在留資格(VISA)申請を専門に、就労ビザ、特定技能ビザ、興行ビザ、永住許可申請などのサポートを行っています。

行政書士事務所・行政書士法人にて計7年間勤務し、700件以上の在留資格関連案件に携わってきました。
企業と外国人双方の立場を理解したうえで、制度だけに頼らない、実情に即したサポートを心がけています。

外国人が日本で安心して働き、生活できる環境づくりに貢献することを大切にしています。

目次