外国人雇用で「問題ないと思っていた」判断がズレる瞬間

外国人雇用を進める中で、「これなら問題ないはず」「これまで指摘されたことはない」という判断をもとに採用を進めている企業は少なくありません。
しかし実務の現場では、その判断が後からズレていたことに気づき、対応に追われるケースが多く見られます。

こうしたズレは、制度を全く知らなかったから起きるものではありません。
むしろ、ある程度理解しているつもりだからこそ見落としてしまうポイントで発生しやすい傾向があります。
この記事では、外国人雇用で「問題ないと思っていた」判断がどの瞬間にズレやすいのかを、実務目線で整理します。

目次

過去に問題がなかった経験を基準にしてしまうとき

判断がズレる典型的な瞬間の一つが、「前回は大丈夫だった」という経験を基準にしてしまうときです。
以前に外国人を雇用した経験があり、その際に特に問題が起きなかった場合、同じ進め方で大丈夫だと考えてしまいがちです。

しかし、在留資格の判断は個人ごと、業務内容ごとに行われます。
過去に問題がなかったからといって、今回も同じ結果になるとは限りません。

採用する人材の経歴や在留資格(ビザ)の種類が異なれば、確認すべきポイントも変わります。
経験則だけに頼った判断が、ズレの原因になることがあります。

「就労ビザがある」という情報だけで安心してしまうとき

外国人本人から「就労ビザを持っています」と聞き、その時点で安心してしまうケースも少なくありません。
在留期限が残っていることを確認し、それ以上深く確認しないまま採用を進めてしまうことがあります。

しかし、就労ビザがあることと、予定している業務に適合していることは別の話です。
業務内容との関係を確認しないまま進めると、後から「その業務は想定されていない」と指摘されることがあります。

「ビザがあるから問題ない」という判断は、ズレが生じやすい典型例です。

業務内容を柔軟に決める前提で進めているとき

採用段階では業務内容を厳密に決めず、「入社後に様子を見ながら調整する」という進め方をする企業もあります。
日本人採用では自然な進め方でも、外国人雇用ではリスクになることがあります。

在留資格(ビザ)の判断では、具体的にどのような業務を行うのかが前提になります。
業務内容が曖昧なままでは、在留資格との整合性を正しく判断できません。

結果として、入社後に業務を広げた段階で、在留資格とのズレが表面化します。
柔軟性を重視した判断が、逆に問題を生む瞬間です。

日本人採用と同じ感覚で考えてしまうとき

判断がズレる背景には、日本人採用と同じ感覚で外国人雇用を考えてしまう点もあります。
職種名や部署名を見て問題ないと判断し、細かい業務内容まで意識していないケースです。

日本人であれば問題にならない業務の組み合わせでも、外国人の場合は在留資格(ビザ)の制約が影響します。
この前提を意識していないと、「問題ないと思っていた」判断が簡単にズレてしまいます。

外国人雇用では、同じ基準が通用しない場面があることを前提に考える必要があります。

判断がズレないために意識しておきたい視点

外国人雇用で判断がズレる瞬間は、特別な例ではありません。
多くは、判断の基準が曖昧なまま進んでいることが原因です。

業務内容を具体的に整理しているか。
その業務と在留資格(ビザ)の関係を確認しているか。

過去の経験や感覚だけで判断していないか。
こうした点を一つずつ確認することで、判断のズレは防ぎやすくなります。

外国人雇用では、「問題ないはず」という感覚よりも、確認の積み重ねが重要です。
ご不安な点がある場合はシキサイ行政書士事務所までお気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

本間 隆裕のアバター 本間 隆裕 行政書士

シキサイ行政書士事務所 代表。
外国人の在留資格(VISA)申請を専門に、就労ビザ、特定技能ビザ、興行ビザ、永住許可申請などのサポートを行っています。

行政書士事務所・行政書士法人にて計7年間勤務し、700件以上の在留資格関連案件に携わってきました。
企業と外国人双方の立場を理解したうえで、制度だけに頼らない、実情に即したサポートを心がけています。

外国人が日本で安心して働き、生活できる環境づくりに貢献することを大切にしています。

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