登録支援機関とは?義務的支援10項目と立ち上げ手順を解説

登録支援機関とは 立ち上げ方法
目次

登録支援機関とは?義務的支援を担う専門機関のこと

登録支援機関とは、特定技能1号の外国人への支援を、受入企業に代わって行う機関のことです。

登録支援機関(Registered Support Organization)とは、出入国在留管理庁長官の登録を受け、受入企業から委託されて「義務的支援」を実施する機関です。根拠は入管法第19条の24第1項です。

はじめに用語を整理します。ビザ(査証/Visa)は、海外の日本大使館・領事館が発給する入国のための推薦です。在留資格(Status of Residence)は、日本で行える活動の区分です。両者は別の制度です。

支援の対象は特定技能1号(Specified Skilled Worker)だけです。特定技能2号には支援計画の作成義務がなく、登録支援機関の支援は不要です。

なぜ「立ち上げ」を検討する企業が増えているのか

特定技能1号を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、支援計画の作成と実施が義務づけられています。

この支援をすべて登録支援機関に委託すると、企業側の支援体制の基準を満たしたものとみなされます(入管法第19条の22第2項)。

そのため、グループ会社の受入れを内製化したい企業や、人材事業として支援を担いたい企業が、自ら登録支援機関を立ち上げる動きが広がっています。

あなたの会社はどの立場?3つのパターンを整理

結論:まず「支援を委託する側」か「支援を担う側」かを決めることが出発点です。

自社の立ち位置によって、必要な準備がまったく変わります。下表で整理します。

パターン誰が支援するか登録申請の要否
①自社支援受入企業が自ら実施不要(ただし支援体制の基準を満たす必要あり)
②委託登録支援機関に委託不要
③自ら登録自社が登録支援機関になる必要(本記事のテーマ)

なお、支援する特定技能外国人の在留手続には、海外から呼ぶ在留資格認定証明書交付申請(COE)、国内で資格を変える在留資格変更許可申請、期間を延ばす在留期間更新許可申請があります。立ち上げ後は、これらの外国人を支援していくことになります。

登録支援機関が担う「義務的支援」10項目とは?

結論:義務的支援とは、特定技能1号が安心して働き生活するために、必ず行う10項目の支援です。

義務的支援(Mandatory Support)は、特定技能基準を定める法務省令に基づく法定の支援です。次の10項目で構成されます。

  1. 事前ガイダンス(労働条件などの事前説明)
  2. 出入国する際の送迎
  3. 住居の確保と生活に必要な契約の支援
  4. 生活オリエンテーション
  5. 公的手続などへの同行
  6. 日本語学習の機会の提供
  7. 相談・苦情への対応
  8. 日本人との交流促進
  9. 転職支援(会社都合で離職した場合)
  10. 定期的な面談と、法令違反時の行政機関への通報

これらは、外国人が十分に理解できる言語で行う必要があります。

任意的支援との違い、そして費用のルール

区分内容実施
義務的支援上記10項目必ず行う
任意的支援定着率を高める追加支援任意

重要なルールとして、義務的支援にかかる費用を外国人本人に負担させることは禁止されています。費用は受入企業と登録支援機関との間で取り決めます。

まずは無料でご確認ください:御社が登録支援機関の要件を満たせそうか、判断に迷う段階でも大丈夫です。シキサイ行政書士事務所(全国オンライン対応)が、貴社の状況に合わせて可否の見立てをお伝えします。

登録支援機関を立ち上げる要件【3軸で整理】

結論:登録の可否は「機関の適正性」「支援体制」「立証資料」の3軸で審査されます。

書類が揃っていても、体制が実態を伴わなければ登録は認められません。審査には裁量の幅があります。

①機関自体の要件(登録拒否事由に該当しないこと)

入管法第19条の26に定める登録拒否事由に一つでも該当すると、登録できません。代表的な例は次のとおりです。

  • 禁錮以上の刑を受け、執行終了から5年を経過していない
  • 入管法令・労働法令の違反で罰金刑を受けた
  • 過去に登録を取り消された

法人の場合、代表者だけでなくすべての役員が対象です。労働基準監督署からの是正勧告歴が問題になる場合もあります。

②支援体制の要件(人と言語)

事業所ごとに、支援責任者と支援担当者を1名以上選任します(兼任可)。加えて、次のいずれかの実績要件を満たす必要があります。

  • 過去2年間に就労系の中長期在留者の受入れ・管理を適正に行った実績がある
  • 役職員が同期間に生活相談などに従事した経験がある
  • 行政書士など士業として在留資格業務に従事していた(同等の能力)
  • 上記と同程度に支援を適正に行える体制がある

さらに、外国人が十分理解できる言語で支援できる体制が求められます。

③立証に必要な資料と、審査の裁量性

登録申請書に加え、実績・体制・欠格事由の非該当を疎明する資料が必要です。「様式を埋めた=登録される」ではない点にご注意ください。

なお、2027年施行予定で、支援責任者・支援担当者に「過去5年間に2年以上、中長期在留者の生活相談業務に従事した経験」を求めるなど、要件の厳格化が予定されています(2026年7月時点。詳細は【要確認】)。立ち上げのタイミング設計に影響するため、早めの確認をおすすめします。

登録支援機関の登録申請の流れと費用の目安【要確認】

結論:申請から登録までは約2か月が目安です。支援開始予定日から逆算して準備します。
※東京出入国管理局では半年ほどかかる可能性もありますので、ご注意ください。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 体制整備(責任者・担当者の選任、言語対応の準備)
  2. 実績・欠格事由の確認と資料収集
  3. 登録支援機関登録申請書の作成・提出
  4. 出入国在留管理庁の審査(おおむね2か月)
  5. 登録・支援業務の開始

費用・期間の目安は下表のとおりです。制度改定が頻繁なため、必ず出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください

項目目安
標準処理期間おおむね2か月※申請する入管によって変動有り
新規登録手数料約28,400円(収入印紙)
更新手数料約11,100円(収入印紙)
有効期間5年(更新が必要)

更新は、有効期間満了日の6か月前の月の初日から4か月前の月の月末までが目安です。遅れると新規申請が必要になり、費用も高くなります。

登録後に発生する義務と届出【要確認】

結論:登録はゴールではなく、継続的な報告義務のスタートです。

登録後は、四半期ごとに支援の実施状況を出入国在留管理庁長官へ届け出る義務があります。届出漏れは登録取消しの理由になり得ます。

このほか、支援内容の変更などがあった場合の随時の届出も必要です。特定技能外国人本人にも、転職・退職時の所属機関に関する届出、住居地届出、在留カードの記載事項変更などの義務があります。

更新申請は、有効期間満了の半年前を目安に準備を始めると安心です。

自社で申請する場合と行政書士に依頼する場合の違い

結論:立ち上げは自社でも可能ですが、要件の見立てと書類の説得力で差が出ます。

比較項目自社で申請行政書士に依頼
費用手数料のみ手数料+報酬(目安15〜25万円前後)
準備時間大きい抑えられる
平日の窓口対応自社負担取次で軽減
書類の説得力実績に左右される疎明資料を組み立て可

※費用は目安です。事案により幅があります。

現場で多い「登録支援機関の書類作成」の落とし穴

見落とされがちな重要点があります。登録支援機関は、報酬を得て入管への申請書類を作成することはできません。 これは2026年施行の改正行政書士法で明確化されました(2026年7月時点)。

登録支援機関ができるのは、書類を入管へ持参する「取次」までです。「作成」は行政書士の業務です。「支援の一環」「無料だから」という説明は通用しにくくなっています。

つまり、登録支援機関を立ち上げても、在留手続の書類作成は届出済みの申請取次行政書士と連携する体制が現実的です。

不許可や届出漏れは、採用計画の遅れ・就労開始の遅延・内定辞退といった経営リスクに直結します。立ち上げから運用まで一貫して伴走できる専門家を選ぶことが、結果的にコストを下げます。

企業向け顧問プランのご案内:登録申請の可否判断から、登録後の届出・更新、特定技能外国人の在留手続まで。特定技能の実績が豊富なシキサイ行政書士事務所が、全国どこからでもオンラインで継続サポートします。まずはお気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

行政書士でなくても登録支援機関になれますか?

なれます。実績要件は複数のルートがあり、就労系の中長期在留者の受入れ・管理実績や、役職員の生活相談経験でも満たせます。士業資格は選択肢の一つにすぎません。

個人事業主でも登録できますか?

できます。法人・個人を問わず、支援責任者・担当者の選任と実績要件、欠格事由の非該当を満たせば申請可能です。ただし継続的な体制の維持が前提です。

支援の費用を外国人本人に負担させられますか?

できません。義務的支援の費用を本人に負担させることは法令で禁止されています。費用は受入企業と登録支援機関の間で取り決めるルールです。

登録が拒否された場合はどうなりますか?

拒否理由を確認し、体制や資料を整えたうえで、あらためて申請する流れになります。裁量の幅がある審査のため、原因の特定が再申請の鍵です。

特定技能1号は家族を日本に呼べますか?

原則として、特定技能1号は家族滞在の在留資格が認められません(特定技能2号は要件を満たせば可能な場合があります)。支援設計の前提として押さえておきましょう。

登録から支援開始まで、どのくらいかかりますか?

審査はおおむね2か月が目安です。体制整備や資料収集を含めると、余裕をもって支援開始予定日の3か月ほど前から動くと安心です。ただし、東京入管の審査期間は半年以上に及ぶこともあります。

※本記事は一般的な解説です。個別の可否は事案により異なります。最新の要件・手数料・提出書類は、出入国在留管理庁の公表情報を必ずご確認ください。

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この記事を書いた人

本間 隆裕のアバター 本間 隆裕 行政書士

シキサイ行政書士事務所 代表。
外国人の在留資格(VISA)申請を専門に、就労ビザ、特定技能ビザ、興行ビザ、永住許可申請などのサポートを行っています。

行政書士事務所・行政書士法人にて計7年間勤務し、700件以上の在留資格関連案件に携わってきました。
企業と外国人双方の立場を理解したうえで、制度だけに頼らない、実情に即したサポートを心がけています。

外国人が日本で安心して働き、生活できる環境づくりに貢献することを大切にしています。

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