永住権の条件【2027年4月改正】年収・日本語B1・年金を解説

永住権の条件【2027年4月改正】年収・日本語B1・年金を解説
目次

永住権とは?ビザ・在留資格との違い

永住権とは、在留期間と活動内容に制限のない在留資格「永住者」の許可を受けることです。 更新審査がなくなり、日本で最も安定した立場で暮らせます。

【「永住権」という言葉について】 厳密には、日本の法律に「永住権」という権利はありません。正しくは、在留資格「永住者」の許可を受けた状態を指します。本記事では、一般に広く使われていて分かりやすいため、「永住権」と表記しています。

永住権(Permanent Residency)の根拠は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)第22条です。法務大臣が「永住を認める」と判断した人だけが許可されます。

査証(ビザ)と在留資格の違い

査証(ビザ/Visa)とは、海外の日本大使館・総領事館が発給する「入国の推薦」です。在留資格(Status of Residence)とは、日本で行える活動や身分の類型です。

「永住ビザ」という呼び方が一般的ですが、正確には在留資格です。本記事では以降「在留資格」で統一します。

永住許可申請と「変更」「更新」の違い

永住許可申請は、在留資格の変更や更新とは別の手続きです。まずはご自身がどの手続きに当たるかを確認しましょう。

手続き根拠条文対象となる方
在留資格認定証明書交付申請(Certificate of Eligibility)入管法第7条の2海外から外国人を呼び寄せる
在留資格変更許可申請入管法第20条日本にいて別の在留資格へ移る
在留期間更新許可申請入管法第21条同じ在留資格で期間を延長する
永住許可申請(Application for Permanent Residence)入管法第22条期限のない「永住者」へ移る

あなたはどのルート?永住権の条件を取得ルート別に確認

原則は「日本に10年以上在留し、そのうち就労資格で5年以上」です。 高度専門職のポイントや日本人の配偶者などには、期間を短縮できる特例があります。

原則ルート:在留10年・うち就労資格5年以上

原則ルートでは、次の3点がそろっているかを確認します。

  • 引き続き10年以上、日本に在留している
  • そのうち就労資格(または居住資格)で5年以上在留している
  • 現在の在留資格で、法令上の最長の在留期間を持っている

技能実習・育成就労・特定技能1号・企業内転勤などの期間は、5年の「就労資格」に数えられません。

高度専門職ルート:最短1年

高度人材ポイント制(Points-based System for Highly Skilled Foreign Professionals)で70点以上なら3年、80点以上なら1年の在留で申請できます。

現在「技術・人文知識・国際業務」で在留する方も、過去の時点で点数を満たしていれば、この特例を使える場合があります。

配偶者・定住者などの特例ルート

  • 日本人・永住者・特別永住者の配偶者:実体のある婚姻生活5年以上、かつ在留3年以上
  • 上記の方の実子等:在留3年以上
  • 「定住者」:5年以上の継続在留

配偶者の期間は、2027年4月以降の申請に適用される改定後の基準です【要確認】。

在留資格別の比較表

在留資格就労資格5年に算入最長の在留期間主な注意点
技術・人文知識・国際業務算入される5年職務と学歴の関連性。在留期間3年の方は経過措置を確認
特定技能2号算入される3年【要確認】特定技能1号の期間は5年に含まれない
高度専門職1号算入される5年70点で3年、80点で1年の特例あり
経営・管理算入される5年会社の納税・社会保険。2025年10月改正基準への適合【要確認】

永住権の要件は?本人・所属機関・立証資料の3軸で整理

法律上の要件は「素行善良」「独立生計」「国益適合」の3つです。 実務では、本人・所属機関・立証資料の3つの軸で準備を進めます。

入管法第22条第2項は、2つの要件に加え、「入管法上の義務の遵守、公租公課の支払等」から永住が日本の利益になると認める場合に許可すると定めています。

①本人の要件

  1. 素行が善良であること:罰金刑以上の刑罰がないこと等
  2. 世帯年収:世帯人数ごとの日本人世帯の平均収入を上回る水準に、継続して達していること
  3. 年金の見込額:将来の受給見込額が基準に届くこと(不足分は金融資産で補える場合あり)
  4. 公租公課の納付:税金・年金・健康保険料を期限内に納めていること
  5. 日本語能力:日本語教育の参照枠でB1相当以上(高度人材等は対象外)
  6. 制度・ルールの理解:入管庁長官が指定する方法で確認されます【要確認】
  7. 長期出国がないこと:過去10年で1回半年以上、または通算2年6か月以上の不在は消極評価
  8. 学齢期の子の就学:子が小学校・中学校に通っていること

②所属機関(勤務先・経営する会社)の要件

永住審査には、就労系の在留資格のような「受入機関の要件」はありません。ただし、会社の状況は本人の審査に直接影響します。

  • 社会保険(健康保険・厚生年金)への加入と保険料の納付
  • 源泉徴収と住民税の特別徴収
  • 経営・管理の方は、会社の法人税・消費税・社会保険の納付状況
  • 現在の在留資格の上陸許可基準への適合(例:技人国の職務内容)

審査は原則として世帯単位です。「家族滞在」の家族のアルバイト収入は、世帯年収に合算されません。

③立証に必要な資料

証明すること主な資料(例)
年収・住民税の納付住民税の課税(非課税)証明書・納税証明書
国税の納付納税証明書(源泉所得税・申告所得税等)
年金・医療保険ねんきん定期便、年金記録、保険料の領収書等
在職・事業の状況在職証明書、登記事項証明書、決算書
身元の保証身元保証書
日本語・制度理解確認方法は公表資料を確認【要確認】

必要書類は改定が多いため、出入国在留管理庁の「永住許可申請」ページで最新の一覧を確認してください【要確認】。

書類がすべて揃っていても、許可されるとは限りません。 何を、どの資料で、どう説明するかが審査の分かれ目です。

2027年4月から何が変わる?永住許可ガイドライン改定のポイント

令和8年(2026年)10月1日に永住許可ガイドラインが改定され、2027年4月1日以降の申請に適用されます。 年収・年金・日本語などの基準が明確になりました(2026年10月時点の情報です)。

新たに明記された考慮要素

  • 世帯人数に応じた世帯年収の水準
  • 将来の年金見込額と、不足を補う金融資産
  • 日本語能力B1相当
  • 日本の制度・ルールの理解
  • 学齢期の子の就学
  • 「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」の施策への貢献

具体的な年収水準や資産額は、公表資料で確認が必要です【要確認】。

在留期間「3年」の人への経過措置

改定後は「最長の在留期間」が重視されます。ただし、在留期間「3年」の方には経過措置があります。

  • 2027年3月31日までの申請:「3年」でも最長の在留期間として扱われます
  • 2027年4月1日以降の申請:3月31日時点で「3年」を持ち、初回の申請で、その在留期限までに結果が出る場合に限り同様に扱われます

なお、年収と公共負担の項目は、2026年4月1日以降に申請し、10月1日時点で審査中の案件にも適用されます。「急げば旧基準で審査される」とは限りません。

永住許可後の「取消し制度」も始まります

2024年の入管法改正により、永住許可後の取消し事由が追加されました(入管法第22条の4第1項第8号・第9号)。施行は2027年4月1日の予定です【要確認】。

  • 入管法上の義務(在留カードの更新・携帯等)を守らない
  • 故意に税金や社会保険料を支払わない
  • 窃盗・詐欺・傷害など特定の罪で拘禁刑に処せられる

ただし、取消し事由に当たっても、多くは「定住者」等への職権変更が想定されています(入管法第22条の6)。病気・災害・失業など、やむを得ない事情による未納は「故意」に当たりません。

書類が揃っても不許可?審査の実態と現場の注意点

永住審査は法務大臣の裁量が極めて広く、要件を形式的に満たしても不許可となる場合があります。 「日本の利益に積極的につながるか」まで総合的に判断されるためです。

職務内容と学歴の関連性も見られます

永住審査では、現在の在留資格の基準に合っているかも確認されます。技人国の場合、職務内容と学歴・専攻との関連性がポイントです。

  • 経済学部卒で海外営業・貿易事務 → 関連性を説明しやすい
  • 情報系の専門学校卒でシステム開発 → 関連性を説明しやすい
  • 工場のライン作業が業務の中心 → 基準不適合と評価されるおそれ

現場でよくある失敗例

当事務所のご相談で特に多いのは、次のようなケースです。

  • 転職の間の数か月、国民年金を払っていなかった
  • 住民税を納付書で払い、納期限を過ぎていた
  • 海外の親族を扶養に入れ、世帯人数が増えて年収基準に届かなかった
  • 転職時の「所属機関に関する届出」(14日以内)を出していなかった

一度でも遅れがあると、「今は完納している」だけでは足りない場合があります。過去の記録を申請前に確認することが大切です。

不許可になった場合の考え方

  • 永住が不許可でも、現在の在留資格は期限まで有効です
  • 地方出入国在留管理局で、不許可理由の説明を受けられます
  • 理由を解消し、期間を置いてから再申請を検討します
  • 審査中に在留期限が来る場合は、別に更新申請が必要です

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企業の経営者・人事担当者ができるサポートは?

社員の永住許可は、人材の定着と在留管理の負担軽減につながります。 一方で、会社の社会保険や税務の不備は、社員の不許可リスクになります。

永住許可を得た社員には、次のようなメリットがあります。

  • 在留期限の管理や更新手続きが不要になる
  • 職務内容の制限がなくなり、配置転換がしやすくなる
  • 住宅購入など生活基盤が安定し、長期の就業が見込める

会社として準備できるのは、社会保険の適正な加入、住民税の特別徴収、在職証明書の速やかな発行です。過去に社会保険の未加入期間がある場合は、早めに専門家へご相談ください。

自分で申請する場合と専門家に依頼する場合の比較

ご自身でも申請できますが、記録の確認と説明資料の作成に時間がかかります。 主な違いは次のとおりです。

比較項目自分で申請申請取次行政書士に依頼
費用入管の手数料のみ手数料+報酬(目安:十数万円〜数十万円)【要確認:自事務所の報酬額を記載】
準備の時間書類収集・記録確認に数十時間かかることも必要書類の案内・確認を任せられる
平日の窓口対応原則、本人が入管へ出向く申請の取次により本人の出頭が原則不要
書類の説得力不利な事情の説明が難しい経緯を整理した説明書を作成できる
改定への対応最新基準を自分で調べる最新の運用を踏まえて準備できる

永住許可の手数料は、2026年10月1日以降の受付分から20万円となっています(許可時に納付)【要確認】。

申請取次行政書士は、申請書類の作成と入管への提出の取次を行います。法律上の「代理人」として申請するものではありません。

永住許可後に守るべき義務は?

永住許可後も、入管法上の届出と税・社会保険料の納付は続きます。
2027年4月以降は、守らないと取消し事由になり得ます。

  • 在留カードの有効期間更新(16歳以上は7年ごと)
  • 住居地の届出(転居後14日以内に市区町村へ)
  • 氏名・国籍等の変更届出(14日以内)
  • 出国時は再入国許可またはみなし再入国許可(原則1年以内に戻る)
  • 税金・年金・健康保険料の期限内納付

在留カードの更新期限は手帳やカレンダーで管理しましょう。更新は有効期間満了の3か月前から申請できます。

よくある質問

Q1. 学歴・専攻と仕事の内容が一致しない場合でも申請できますか?

申請はできますが、慎重な準備が必要です。
永住審査では、現在の在留資格の基準に合っているかも確認されます。
技人国で専攻と職務の関連性が弱い場合、基準不適合と評価されるおそれがあります。
職務内容の実態を、資料で丁寧に説明することが重要です。

Q2. 転職した場合や、退職期間がある場合は不利になりますか?

転職そのものは不利になりません。
注意点は、退職期間中の国民年金・国民健康保険の加入と納付、14日以内の所属機関の届出です。
空白期間が長い場合は、収入の継続性も確認されます。転職後の収入が安定してから申請するのが一般的です。

Q3. 過去に不許可・オーバーステイ・交通違反がある場合はどうなりますか?

過去の不許可は、理由を解消していれば再申請できます。
在留特別許可を受けた方は、その後原則10年の在留が必要です。交通違反で罰金刑を受けた場合は、消極評価となります。反則金で済んだ軽微な違反でも、回数が多いと素行面で説明が必要になることがあります。

Q4. 家族も一緒に永住権を取れますか?

配偶者と子は、本人と同時に申請するのが一般的です。
永住者の配偶者や子は、素行善良・独立生計の要件が不要となる特例があります。
ただし、公共の負担とならないことなど国益要件は審査されます。家族滞在の家族の収入は世帯年収に含まれない点にご注意ください。

Q5. 申請から許可まではどのくらいかかりますか?

標準処理期間は4か月とされていますが、その期間で結果が出ることはほぼないのが現状です。
実際には、1年以上かかる例もあります。東京出入国在留管理局に至っては審査期間が2年に及ぶ事例もあります。
審査中に在留期限が来る場合は、別に更新申請が必要です。住宅購入や家族の呼び寄せなどの予定がある方は、余裕を持って準備を始めましょう。

Q6. 自分で申請するのと、行政書士に依頼するのは何が違いますか?

ご自身でも申請できます。
依頼の主な違いは、平日の入管への出頭が原則不要になること、過去の記録を事前に確認できること、不利な事情を説明書で整理できることです。
改定直後で運用が変わりやすい時期は、専門家の確認が不許可リスクの軽減につながります。

Q7. 2027年3月までに急いで申請したほうがよいですか?

一律にはおすすめしません。在留期間「3年」の経過措置などで、改定前の申請が有利な方はいます。
一方、年収と公共負担の項目は審査中の案件にも適用されます。
要件を満たさないまま急ぐと、不許可の記録が残ります。まずはご自身の状況を確認しましょう。

まとめ:永住権の条件は「今の在留状況」で決まります

永住権の条件は、在留年数だけでなく、年収・年金・納付記録・日本語能力まで総合的に判断されます。 2027年4月の改定で、準備すべき点はさらに明確になりました。

  • 原則は在留10年・うち就労資格5年以上
  • 高度専門職は最短1年の特例あり
  • 2027年4月以降の申請は、改定後のガイドラインで審査
  • 永住許可後も、義務と納付を守ることが大切

当事務所は、届出済の申請取次行政書士として永住許可申請の実績を多数有しています。
東京・大阪・名古屋・福岡など、全国の地方出入国在留管理局への申請に対応しています。

あなたのケースで永住許可の可能性があるか、まずは無料でご確認ください。 「何から準備すればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。LINEで気軽にご相談いただけます。

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【根拠法令・一次情報】

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この記事を書いた人

本間 隆裕のアバター 本間 隆裕 行政書士

シキサイ行政書士事務所 代表。
外国人の在留資格(VISA)申請を専門に、就労ビザ、特定技能ビザ、興行ビザ、永住許可申請などのサポートを行っています。

行政書士事務所・行政書士法人にて計7年間勤務し、700件以上の在留資格関連案件に携わってきました。
企業と外国人双方の立場を理解したうえで、制度だけに頼らない、実情に即したサポートを心がけています。

外国人が日本で安心して働き、生活できる環境づくりに貢献することを大切にしています。

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